今朝大阪府庁の朝礼で、「知事は人として尊敬できない」とかみついた職員に対して、ならば職を変えてくれと橋下知事が切り返したという。
大阪府の5兆円という借金のすごさを民間企業の視点で見ると、中小企業であれば何十回、何百回と倒産を繰り返しているようなものである。
そこで働く人間としては、再就職した会社がその都度倒産し、いつも再就職先を探しまわっていなければならない状況である。
当然のことながら、個人個人で見れば、粉骨砕身、一生懸命働く人間もいれば、ぶらさがり健康器になっている人間もいる。
しかし、働く企業が倒産ということになれば、いくら一生懸命組織のために献身的な働きをしていたとしても、否応なく職を失うことになる。
いくら会社がひどい状況になってもまだ再建の見込みがあるうち、あるいはまだ自分自身そこの組織で頑張ろうと思っている人であれば、会社側から提示される改革という名のリストラ策も甘んじて受け容れるだろうし、もはや見込みなしと判断すれば、新天地を求めて辞表を提出する。
財政基盤の弱い中小企業に身を置く人間は、日々、生きるか死ぬかの戦いなのである。
大企業でも業績が悪ければ、リストラはあるし、経営陣は有無を言わさず、責任を取らされるのである。
その点、国や自治体には倒産ということがない。財政が危うくなれば、国債や地方債の起債でその場をしのぐことができる。給料もそれで確保されることだってある。それ以外にも公務員は民間企業で働く人たちよりもさまざまな面で保護されている。
ここが民間企業と公務員との決定的な違いである。
大阪府の状況を見ていて、こうした違いがあることに気づいていない公務員は案外多いと感じた。
先日もニュースで橋下知事とやりあう職員の姿が映し出されていたが、その職員は「うちの子供は来年大学に入学する予定だが、これほど人件費を削減されては大学入学などさせてやれない。それでも知事は人件費を削減するのですか? 」というコメントを知事にぶつけていた。
さらに驚いたのは、その職員は最後のひとことであった。
何とその職員は、知事に向かって「私、何か悪いことをしましたか」と言ったのである。
これも民間では到底考えられない発想である。
長年、制度や法律に守られてきた公務員がはじめて体験する世間の荒波なのかもしれない。
それにしても橋下知事は全く民間企業で勤めた経験がないにもかかわらず、われわれ民間企業に身を置く人間の思いを見事に代弁してくれながら、首長としての手腕を発揮されている。
会社再建のため人件費の削減を実施するのは常套手段であり、本当に組織を再建させたいと思う人間であれば、自らも身を削ることに何ら抵抗はないはずだ。
それを「私、何か悪いことしましたか」などという言葉が出てくるのは、もはや「公僕」とはいえないのではないか。
知事の言うように、職を変えればいいだけの話である。
橋下知事は自ら火中の栗を拾いに行ったわけであるから、民間の水準を知らない公務員の抵抗にひるむことなど全くないと思う。
まだまだ抵抗は多いと思うが、将来の大阪府民のために頑張ってもらいたいと思う。